家の中での転倒は、ちょっとした滑り・つまずき・段差がきっかけで起こります。そして、その多くは床で対策ができるものです。親御さんが歳を重ねてきた、足腰が弱ってきたと感じたら、床を見直すタイミング。この記事では、転倒を防ぐための床リフォームを、滑りにくさ・クッション性・段差解消の3つの視点で整理し、介護保険の住宅改修の使い方までお伝えします。
床が原因の転倒は3つのタイプ
- 滑る:濡れた床、ツルツルした床材、靴下・スリッパで歩くとき
- つまずく:敷居、カーペットの端、電源コード、数ミリの小さな段差
- よろける:柔らかすぎる床、段差が見えにくい床の色
要注意:大きな段差より、目に見えにくい数ミリの段差の方がつまずきやすいと言われます。和室の敷居、部屋の境目の見切り材などをまず確認してください。
床材選び|「滑りにくさ」と「クッション性」のバランス
| 床材 | 滑りにくさ | クッション性 | 車いす | 向いている場所 |
|---|---|---|---|---|
| 防滑タイプのクッションフロア | ◎ | ○ | ○ | トイレ・洗面所・脱衣所 |
| クッション性の高い床材 | ○ | ◎ | △ | 寝室・居間(歩行中心) |
| 防滑タイプのフローリング | ○ | △ | ◎ | 廊下・リビング(車いす併用) |
| コルク | ○ | ◎ | △ | 寝室・居間 |
| 毛足の短いタイルカーペット | ○ | ○ | ○ | 居間(端のめくれに注意) |
ポイント:車いすを使う場合、柔らかすぎる床は車輪が沈んで重くなります。歩行中心ならクッション性、車いす中心なら硬めで滑りにくい床、と使う人の移動方法で最適解が変わります。
段差解消の方法
- 敷居の撤去と床の高さ合わせ:和室と廊下の段差を根本からなくす
- ミニスロープの設置:数ミリ〜数センチの段差をなだらかにする
- 床のかさ上げ:低い側の床を上げて、高さをそろえる
- 段差の見える化:どうしても残る段差は、色の違う見切り材で目立たせる
場所別の対策
| 場所 | 主なリスク | 床の対策 |
|---|---|---|
| 寝室→トイレの廊下 | 夜間のつまずき | 段差解消+防滑(最優先の動線) |
| トイレ | 濡れて滑る | 防滑クッションフロア |
| 洗面所・脱衣所 | 濡れた足で滑る | 防滑クッションフロア |
| 和室 | 畳の縁・敷居の段差 | 段差解消 または フローリング化 |
| 階段 | 踏み外し | 滑り止め(階段の滑り止めの記事) |
介護保険の住宅改修を使う
- 対象:要支援・要介護の認定を受けた方のお住まい
- 上限:工事費20万円まで(自己負担は1〜3割)
- 床に関係する工事:「滑りの防止や移動を円滑にするための床材の変更」「段差の解消」など
- 手続き:ケアマネジャーに相談し、工事の前に市区町村へ申請
注意:申請は必ず着工前に。工事後の申請は原則認められません。補助制度の全体像は 福岡の床リフォームと補助金の記事 で解説しています。
リフォームの前に、今日からできること
- 床に置くマットは裏面が滑りにくく、端がめくれにくいものに替える
- 電源コードを壁際に沿わせ、通路を横切らないようにする
- 夜間の足元灯を廊下とトイレに
- スリッパは底が滑りにくく、かかとのあるものに
よくあるご質問
Q. 畳のほうが、転んでも安全ではないですか?
畳はクッション性がある一方、縁や敷居でつまずきやすく、車いすには不向きです。和室を残すなら段差解消を、洋室化するならクッション性のある床材を選ぶのが現実的です。和室の選択肢は 畳からフローリングへのリフォーム をご覧ください。
Q. 家族がまだ元気なうちにやるべき?
早めがおすすめです。介護が必要になってからの工事は、ご本人の生活への負担が大きくなります。元気なうちなら、落ち着いて床材も選べます。
Q. 予算が限られています。どこからやるべき?
寝室からトイレまでの動線が最優先です。夜間に最も転びやすい経路だからです。次に、トイレと洗面所の防滑化をおすすめします。
まとめ|「動線の段差」と「濡れる場所」から先に
高齢のご家族のための床リフォームは、寝室からトイレまでの動線の段差をなくし、水回りを滑りにくくすることから始めるのが効果的です。介護保険が使える場合は、必ず着工前の申請を。福岡市内なら、家の中の気になる場所の写真をLINEでお送りいただければ、優先順位と床材の候補をご提案します。
お電話は 080-2524-3057(9:00〜20:00)。お問い合わせ もご利用ください。

